今回、2018 年 6 月 2 日に愛知県の岡崎市で開催された「森の健康診断」というボランティア活動に参加してきました。
まずはじめに、この活動は一体どのようなものなのかを簡単に紹介します。
森の健康診断とは
間伐遅れの人工林は一見すると緑豊かですが、中に入って見ると鬱蒼として光が差し込まないため、地面にはほとんど植物がなく、土がむき出しになっています。
こんな林では雨の水滴にたたかれて土が流れ出し、木の根がむき出しになっていて、大雨で土砂崩れが起きる危険性があります。
人工林の地面を覆う植物が増えれば、土が雨の水滴の衝撃から守られます。加えて、植物の根がくさったり、それを分解する動物が増えると生態系のバランスが良くなるとともに根の張り方が複雑になって、土砂崩れの危険が少なくなります。
人工林の間伐を進めれば、林内に様々な植物が茂るようになり、水源林や防災林としていい状態になります。
しかしまだ実際どの程度の人工林が間伐遅れなのかやどの程度間伐すれば、どのくらい他の濁物が生えるのか、また間伐の効果は林の立地や成長具合によって変わるのか、などについてのことがわかっていません。
林内の植物の種類数と量は、林内の明るさや標高によって変わります。林内の明るさは、木の本数や太さ、高さ、斜面方位などによって変わります。
森の健康診断ではこうした項目を実際の人工林に入り、100 円ショップなどで揃えた安価な道具で簡単に測定することによって、健康な人工林、不健康な人工林、の様子を五感と数値の両方で感じると同時に、広域で一斉に測定されたデータを集めることで上記の質問に科学的に応えるための基礎となる情報を蓄積することが目標としてかかげられました。
今後日本の森林の未来を考えていく上でも大変有意義な活動であったと思います。
では次に、活動の具体的な流れについて紹介します。
活動の流れ
集合
当日は岡崎市にある額田中学校に午前 9 時ごろに集合しました。参加者はそれぞれ複数のグループに分かれて調査を行いますが、グループの班員は当日発表されたため、出身も年齢も多様な参加者の中で一体誰と組むことになるのかとてもドキドキしました。
参加費用は一人あたり 500 円でしたが、各々に地元の新鮮な水とバインダーなどが無料で支給されました。
持ち物は弁当・水筒・筆記用具・雨具・タオル・軍手・帽子など、遠足に行くようなものでしたが、参加者の中には自分専用のヘルメットを持参している方もいてとても本格的でした。
開会式までの間は班ごとにリーダーの下に集まり、互いに自己紹介などをして過ごしました。式では、出発式と留意事項の確認・連絡などを行いました。
出発
いよいよチームごとに分かれて調査地点へ出発です。目標地点までの道中は自然観察をしながらゆっくり歩き、地域の人とも交流しました。
また地元民である班員から、昆虫や植物、野鳥、地元の歴史や風物、暮らしのことについても教えてもらいました。おしゃべりしながら森を散策しました。
調査開始
調査地点に到着したら、リーダーの指導に従ってマニュアルに沿って調査を開始しました。いくら道具が簡易的なものであるとはいえ、調査はとても本格的なものでした。そして調査の過程で気になることをたくさんメモしました。
1 ヶ所の調査が済んだらお昼休憩を挟み、別の地点へ移動して 15 時ごろまで調査を続けました。
調査を終えて集合場所に戻ったら受付で帰着チェックを行い、調査票の書き写しや班ごとに報告、振り返りを行いました。ここでも違う班の報告から学ぶことがたくさんありました。
閉会式を持って健康診断を終了しました。疲れたけれどとても達成感がありました。
まとめ
体力と根気のいる大変なボランティアではありましたが、森林についてとても学ぶものの多い貴重な経験ができました。
今までに余り馴染みのなかった分野に関するボランティアを経験してみるのも面白いと思います。
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