こんにちは、鈴木あきこです。
面接などの際に、「わかりやすい話」を目指して努力する人は多いと思います。事前に話す内容を準備する時はどうすれば相手にわかりやすく伝えられるかを考えますし、練習を聞いてもらった相手に「何を言っているかわからない」と言われたら「ヤバイ!」と思いますよね。
今回は、特に自己紹介や自分の意見を述べる際に伝えると、相手にスムーズに伝わるポイントをご紹介します。
この人は、食に対して大雑把?神経質?
ある人が「私は自炊をする時に野菜を水洗いしません」と言ったら、どう思いますか?大雑把な人なのかな?汚くないのかな?体に悪いんじゃない?…私にはそんな考えが浮かんできます。一方で、「白砂糖は体に悪いと思うので、食べないようにしています」と言われたらどうでしょうか。私は、神経質な人なのかな?ずいぶんストイックだなと思います。
一見、食に対する考え方としては正反対に見えるふたつの意見ですが、実は、どちらも同じ人、経済評論家の勝間和代さんの意見なんです。
勝間さんは、生活全般において合理性をとても大切にされていて、「なるべく手間暇をかけずに、おいしくて健康によいものを食べたい」と考えているそうです。野菜の残留農薬は体に害が出る程の量ではないと考え、出荷前にも水洗いされているので、わざわざ使う前に水洗いする必要はないと判断します。一方、白砂糖は体によくない上、なくてもおいしい食事は作れるので、初めから使わない方が合理的だと判断しています。
この人は、時間に厳しい?ゆとりがある?
ある企業トップが「講演会の事前打ち合わせや挨拶だけの面会はできるだけなくし、効率化したい」と言いつつ、「会いたいと言われたら、スケジュールが許せば誰とでも会う」と言っています。これも、それぞれ矛盾しているように思えます。
こちらは、元ライフネット生命保険株式会社の代表取締役会長兼CEO(現在は立命館アジア太平洋大学学長)の出口治明さんの意見です。出口さんは、「おもしろいかどうか」を判断基準にされています。そこで、メール連絡や資料を読めばわかることはできるだけ簡略化して時間をかけずに行い、その分おもしろい人と会って話す時間を作っているのだそうです。効率的に仕事を進めることが目的なのではなく、おもしろい人と会う時間を作るための手段として、効率化できることは効率化しよう、という考え方です。
大切にしている価値観、基準が筋になる
これらの考え方の是非はさておき、矛盾するように思えるふたつの意見でも、勝間さんや出口さんが大切にしている判断基準がわかっていると筋が通り、「なるほど!」とスムーズに理解できます。各々がどんな考え方をもち、どんな行動をする人なのかイメージもしやすいですよね。
このように、その人の価値観、判断や行動の基準がわかった上で聞く話は、わかりやすいものです。特に、就職活動で話す内容は、大雑把にくくるとほとんどが自己紹介。自分自身が大切にしている価値観、基準にしていることをはじめに伝えることで、聞き手はあなたの話を理解しやすくなるのではないでしょうか。