就職コンサルタントの福島直樹です。
・前回の内容;学歴フィルターの主な反対意見を3つ(分離説、ミスマッチ説、情報非公開批判)を紹介しました。
・今回の内容;新たな学歴差別の事例、リクルーター制を紹介します。
事例B.リクルーター制という学歴差別
みなさんはリクルーター制という言葉をご存知ですか?
主に大手企業の若手社員が母校のゼミ、部活動、サークルなどの後輩に接触し、自社を受けるように勧誘する活動です。
中には半年近くリクルーター活動に専念させ採用ノルマを課すシビアな企業もあります。就活生の内定を拘束する時もリクルーターが同伴することすらありました。
最近、再び企業がリクルーター制に力を入れるようになった理由は下記の2点です。
①採用スケジュールが3ヶ月と短縮化され不安を感じているから
②ここ数年は企業の求人が増加し売り手市場であり採用難だから
上記の①から説明します。2016年卒の就活から採用スケジュールの後ろ倒しが行われました。2017年卒からは3月1日採用広報解禁、6月1日選考解禁(実質的に内定出し)となり、新卒採用の期間はたった3ヶ月となりました。
「本当に3ヶ月で優秀な学生を採用できるか不安だ」
そんな人事は少なくありませんでした。そこで彼らが考えたのがリクルーター制の活用です。6月1日より前にリクルーターを使い就活生と接触しておけば、何かと有利になるのではと思ったわけです。
そして②について。少子化と、企業業績の回復により、求人が大きく増え人手不足がメディアでもよく取り上げられています。当然新卒採用においても、企業より学生側が有利な状況です。そんな状況への対策の1つがこの制度の活用と言えるでしょう。できるだけ早期から優秀学生に接触したいという企業の意識が感じられます。
リクルーター制の特徴
リクルーター制には次のような特徴があります。
①主に金融、商社、広告、メーカー(主に理系向け)などの大手企業で活用されています。
②上位校の学生が主に対象となります。
③選考解禁の6月1日より前に接触が始まります。
→つまり人気企業と上位校学生の早期のマッチングで活用される仕組みです。ゆえに一種の学歴フィルター、学歴差別ではないかという批判もあります。
④インターンシップと組み合わせて実施する企業もあります。
→インターンで目をつけた優秀学生にリクルーターを紹介する場合があります
⑤最近では技術系の採用が難しいことから、メーカーのリクルーターが理系学生のES添削など親身になって相談に乗るケースが増えています。
→ES添削をすれば先輩と後輩が何度もやりとりすることから、信頼関係や師弟関係が醸成されやすくなります。学業に多忙な理系学生は就活時間の短縮になり、企業は内定辞退率も減り、双方にメリットがあります。
→理系学生を採用したい中堅中小企業の中にはこんなことを言う人事がいます。
「面接に来てくれないどころか、最近では理系学生に会うことすらできない。彼らはどこに行ったのだ?」
→ここ数年で、合同企業説明会、就職ナビ、その他就活イベントなどを利用しても、理系学生に会えなくなっている理由の1つには、上記のような背景があるからです。中堅中小には厳しい状況となっているようです。
「なるほどわかりました。ではリクルーターにはどうすれば会えるのですか?」
あなたはそんな疑問を持つかもしれませんね。次の点を参考にしてください。
・志望企業のインターンシップやOBOG訪問、就職イベントなどに積極的に参加すれば人事やリクルーターから声がかかることがあります。
・声がかからない場合は、人事に問い合わせてみてもよいかもしれません。
「貴社を志望しておりますが、もしリクルーター制を採用されているようでしたら、紹介していただけませんでしょうか?」
・志望企業がリクルーター制を取っているかどうかを調べるには、みんなの就活日記などをチェックしてみましょう。
では次回は事例C.エントリーシート、書類選考の学歴フィルターを紹介します。
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