なぜ彼は50社全滅したのか?⑦

●前回学んだこと

・「就活の見える化」=企業に、受験者数(エントリーシート送付者数)、内定者数、競争倍率、内定者全員の出身校名と出身校別の人数の公表を義務づけること。

・メリット=就活生は自分がどの程度の確率で内定を得られるか、イメージがわきやすくなり、無謀な50連敗を防ぐことができる。

 

●今回学ぶこと

・「就活の見える化」の2つ目のメリットを説明します。

 

「就活の見える化」とは、大学受験に例えるならば、偏差値(入試難易度)や受験倍率のようなものです。

大学受験において、まったく受験勉強をしなかった高校生が東大を受けることはありません。このような無駄な行動をしない理由の1つは、偏差値と倍率という客観的な指標から、自分の合否の可能性をかなり正確に予測できるからです。

 

何かと批判されることの多い偏差値ですが、受験生にとって役に立つ部分は少なくありません。合理的な選択をする上で必要不可欠な指標と言っていいでしょう。

そして「就活の見える化」の2つ目のメリットです。

 

企業がいわゆる偏差値の低い大学の学生へ配慮する可能性が高まります。

 

すべての企業が内定学生の出身学校を公開すれば、面白いことが見えてくるはずです。まず多くの「まとめサイト」ができるでしょう。

 

「大学 偏差値」で検索すれば、個人や企業が作った「勝手サイト」というか「まとめサイト」というか、そのようなものがびっくりするぐらい大量に存在することがわかります。

 

偏差値というものに多くの人が強い関心を持っているのです。よってその就職版である「就活の見える化」情報も同様に多くの興味をひくはずです。

 

ほぼすべての企業の内定者出身校一覧が見やすい形でまとめられるはずです。多くの就活生や保護者がアクセスするでしょうから、場合によってはリクナビなど就職ナビがまとめサイトを作るかもしれません。

 

みんなが何となく今まで漠然と感じていたことが明確になります。上位校の学生ばかり採用している企業もあれば、意外に幅広く下から上まで採用している企業もあります。

 

就活生、保護者、大学キャリアセンター職員、そして世間がそれを知ることになります。上位校ばかり採用している一部の企業は少し印象が悪くなるかもしれません。

 

「これからは中堅校や偏差値の低い大学からも、もっと採用しよう」

「今までは内定を出す時に上位校と中堅校で迷ったら前者を優先することが多かった。これからは逆にしよう」

このように考える人事が出てきてもおかしくありません。

そうです。大げさに言うなら、新卒採用の民主化が進むかもしれないのです。

 

次回は50社全滅シリーズのまとめを書きます。お楽しみに。

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