就職コンサルタントの坂本直文です。
受験した企業のインターンシップ選考試験や本試験に落ちて悩んでいる方もいらっしゃるかもしれません。今回は『内定者は落ちることも目標にしているということ』をレクチャーします。(次回は内定者の落ちた後の改善努力の事例)。ぜひ参考にしてください。
発想の転換 「入社試験は、落ちることも目標の一つ」
最初にメンタル面のアドバイスです。入社試験においては、落ちてガッカリしてはダメです。むしろ、喜んだほうがよいくらいです。この理由を説明します。
あなたは、『受験する企業は全て受かりたい!』・・・なんて考えたりしていませんか?5社受けるなら、5社全ての内定を取る。10社受けるなら、10社全ての内定を取る。このように全ての企業の内定を取るという気持ちは、勇ましくは感じられますが、大変な間違いです。なぜなら、就職活動の目的と反しているからです。
就職活動の目的とは、自分のニーズとピッタリ合った企業の内定を取ることです。自分のニーズとは、希望する仕事ができるか、希望する制度・環境があるか(福利厚生、教育研修、育児休暇等)といったことです。
自分のニーズと全く合わない企業に受かると、入社してから大変なことになる
では、想像してみてください。以下の場合、入社後、どれほど辛い思いをすることになるでしょうか?
内定を取った企業に入社したら、
- 現在も将来的にも、希望する仕事(部署)には絶対に配属してもらえないことがわかった
- 期待していた福利厚生制度、研修制度、昇進制度は存在しなかった
- 希望勤務地で働くことも不可能だった
- 勤務時間も休暇制度も希望と違う形態で、やりたい趣味もできないことがわかった
- 自分が描いていたライフプランが全く実現できないことがわかった
落してくれたことを喜ぼう。面接官に感謝しよう。
では、この項の結論を述べます。就職試験においては『落ちることも目標の一つです』。要するに、自分のニーズに合っていない企業は、落ちたほうがよいのです。
具体的に言うと、就職試験では、自分のニーズ(入社後の希望)を面接官にしっかりと伝えることが大切です。そうすれば、ニーズが満たせない場合は落としてくれるのです。スパッと落ちたら、時間の無駄をせずに済みます。そして、別の企業を受けることができます。落ちてもガッカリする必要は全くありません。むしろ、自分に合わない企業が一つ明確化した…と喜びましょう。そして、このことに気づかせてくれた面接官に感謝しましょう。落ちることはマイナスのことではありません。実に前向きなことであり、充実した人生を切り開く上で極めてプラスのことなのです。
- オリエンタルランド内定者Oさんの実例 (落ちた企業は8社)
私が講師を務める就職講座受講生のOさんは、自分の希望にピッタリの企業に入社するため自分を飾らず、自分の本音をしっかり述べる面接を心掛けたそうです。落ちた企業は8社あったそうですが、受かった企業もオリエンタルランドを含め、3社ありました。現在は希望に合った仕事に就き、充実した毎日をおくっているそうです。自分を落してくれた面接官に対しては感謝の気持ちでいっぱいとのことでした。
- 東京海上日動火災内定者Tさんの実例 (落ちた企業は7社)
私が講師を務める就職講座受講生のTさんは、受かった企業は東京海上日動火災を含め2社でしたが、受かる力がつくまでに、エントリーシートで落とされた企業が2社、面接で落とされた企業が3社、グループディスカッションで落とされた企業が2社あったそうです。Tさんは「私が、人気企業の東京海上日動火災に受かることができた一番の理由は、7社の企業に落ちるたびに自分が向いている企業は落ちた企業ではなく東京海上だと考え、気持ちをポジティブに保ったこと。二番目の理由は落ちた原因をきちんと分析して修正したことです。」と述べていました。
次回のコラムでは、落ちた後の改善方法について具体的に解説します。さらに、落ちたことを面接でどう説明するとプラス評価になるかもお伝えします。