こんにちは、鈴木あきこです。
就職活動が始まり、毎日たくさんの企業の情報を調べていると、どんな企業にエントリーしたらいいのかわからなくなってくることがありませんか?いくつかの企業を見比べても、違いがはっきりとはわからない、とりあえず名前を知っている会社から調べてみているけれど、本当にそれでいいの?…そんな悩みを抱える人も多いかと思います。
今回は、仕事や企業を選ぶ際の「自分なりの決め手」を見つけるにはどうしたらよいか、考えてみたいと思います。
ナビサイトの条件項目は、あなたにマッチしてますか?
ナビサイトなどで企業を検索する時には、様々な条件を入力すると思います。業界、職種、初任給、勤務地、有給消化率や残業時間数などで絞れるサイトもありますよね。
きっと多くの人がこのような条件で企業を探し、選び、決めるから、こうした仕組みになっているのだと思いますが、ナビサイトに提示された項目であなたの納得のいく仕事選び、企業選びはできますか?
気取らず、正直に!自分だけのトーナメント戦を開催しよう
エントリーシートや履歴書、面接などで企業に伝えるかどうかはさておき、自分の手元で選ぶ段階では、あまり気取らず、正直な気持ちに従ってみましょう。とはいえ、自分の正直な気持ちがよくわからない、という人もいるでしょう。
そんな時は、ぜひ以下のようなトーナメント戦を開催してみると、自分なりの決め手が見つかるかもしれません。
①自分が気になる観点を10個挙げる
仕事内容、業界、商品やサービスの内容、収入、勤務地、先輩社員の人柄などなど…無理やりにでも10個出してみてください。もっとたくさん出る人は、たくさん出してもOKです。「こんなことで選んだらダメなんじゃないか」みたいな心配は、今はご無用。別にそのまま企業に伝えたり、誰かに見せたりするものじゃないですからね。付箋紙などに書いておくと、この後の順位付けが楽です。
②それぞれを戦わせて、順位付けをする
先に出した10個を適当にふたつずつピックアップしてトーナメント形式で戦わせ、どっちをより重視するかで順位付けをします。敗者の順位決定戦も行い、1位から10位まで順位を決めましょう。
③戦わせる際は、極端な時、微妙な違いの時の2パターンを考える
例えば、「年収 V.S. 仕事内容」の順位を決める時は、「めちゃくちゃ年収高い V.S. 嫌いな仕事」と「年収は悪くないけどよくもない V.S. 好きでもないが嫌いでもない仕事」 のような2パターンを考えて、順位を決めましょう。この際、「ここまでは重視しないけれど、このレベルは死守したい」というような基準が明確になったら、それもメモしておきましょう。
④1位〜10位の順位と、その根拠をしっかりと把握する
絶対に重視したいこと、特定の条件下で気になること、ここまではいいけどこれ以下はイヤというボーダーライン、周りからはアドバイスをもらったけど、実は自分にとってはどうでもいいことなど、自分なりに納得感のある「企業や仕事に求めること」を可視化しましょう。あなたなりの「企業選び、仕事選びの決め手」が見えてくるはずです。
⑤就活を進める中で、順位変動があれば適宜変更する
説明会や面接、インターンシップなどを経験する中で、より重視したいこと、大事だと思っていたけれどそうでもなかったことなど、順位の変動があるかもしれません。その時は変更しても構いません。企業担当者や他の就活生などとも話をする中で、価値観が変わるのは当然のことです。その都度、自分なりの順位、決め手を更新し、把握し続けましょう。
選考過程でも役立つ「決め手リスト」
こうしてできた、自分なりの「決め手リスト」は、この先の選考過程でも役に立ちます。
就職活動は一般的に、大きく分けてエントリー段階、説明会や選考を受ける段階、内定後に入社先を決める段階の3つがありますが、それぞれの段階で「知れること」と「判断に必要な情報」に違いがあります。必要な情報を、知れるタイミングで得るためには、自分にはどんな情報が必要なのかを把握しておくことが大切です。
例えば、「先輩社員の人柄」が最優先の条件だったとします。エントリー段階では、OBOG訪問やインターン経験、個人的なツテなどがなければ、ホームページや報道で得られる情報、リリースされている商品やサービスのことなど、情報源や知りうる内容には限りがありますよね。この段階で「ホームページで紹介されている先輩社員はいい人そうだけど、その他の人はどうなんだろう?」と疑問に思っても、なかなか精度の高い情報は得にくいはず。しかし、エントリーをし、説明会などに参加すると、先輩社員と話す機会があったり、専属のリクルーターがついたり、もしかしたら一緒に仕事をするかもしれない先輩社員との関わりがもて、知りたかったことを知れるかもしれません。
もし最優先の条件がエントリー前の段階ではわからなかったとしても、「ホームページじゃわからないからエントリーしない」ではなく、現段階で知り得る他の条件からエントリーするかどうかを決め、その後の選考過程で欲しい情報は得られるのかどうか、知れるチャンスがあるのかどうかを総合的に考えましょう。
こうして事前に、自分が企業や仕事を選ぶにあたって知りたいこと、判断に必要な情報を把握しておけば、選考過程のいつ頃それを知れるチャンスがあるのかを意識しながら選考に臨めます。通常の選考過程では得にくい情報であれば、どうやったら聞き出せるか、どこに情報があるのかを考え、探すこともできます。なんとなく選考を受けているだけではわからないことも、「こういうことを知ろう」と自発的に動けば、知ることができます。そうすれば、最終的にどんな仕事をするか、どこの企業に入社するかを決める際に、より納得感の高い判断ができるのではないでしょうか。
「決め手」は自分が決めて、自分のために使うもの
仕事や企業を選ぶ際の決め手は、これが大切、あれは重視しなくてもいい、と他人が決められるものではありません。あなたのことをよく知っているご両親やお友達、就活のプロであるキャリアセンターの方やエージェントなどでも、あなたの決め手を決めることはできません。自分自身の価値観をしり、納得できる決め手を理解することが大切です。
また、選考過程は企業が学生を選ぶだけの場ではありません。みなさんがこの仕事をするとしたら、この企業に入ったとしたら、その先にどんな未来が描けそうなのかを見極める場でもあります。選考過程を有効に活用し、自分にとってベストな選択ができるよう、自分なりの決め手を見つけてくださいね。