こんにちは、鈴木あきこです。
年末年始に“積ん読”していた本を一気読みしました。新年早々引きこもり生活でしたが、おかげで風邪もひかずに過ごす事ができました。
今回読んだ本の中に、興味深いなと思ったことがあったのでご紹介したいと思います。
欧米の大学生の意識
元ライフネット生命保険株式会社(2018年1月より立命館アジア太平洋大学学長)の出口治明さんは、「人生を面白くする本物の教養(幻冬舎新書)」の中で、欧米の大学生と日本の大学生の差について言及しています。それによると…
◆日本の大学生が在学中に平均約100冊の本を読むのに対し、アメリカの大学生は約400冊を読む。勉強量に圧倒的な差がある。
◆アメリカの大学生に人気の就職先は、ベンチャー、NPO・NGO、公務員の三分野に三等分される。ゴールドマン・サックス、ボストンコンサルティング、マッキンゼーなどの優良大企業は40〜50位あたりをうろうろしている。学生たちは「そのような企業はいまがピークだから、今更自分が行っても活躍の余地は限られている」と考える。それならば、ベンチャーへ行った方が思いっきり腕を振るえるし夢がある。
◆欧米の企業では、大学の成績を重視し、原則として卒業後に採用を決める。大学、学部を選んだ理由、どんな成績だったのかを説明させて人物鑑定を行う。日本のように、アルバイト経験、サークル活動の話を聞いたり、卒業前に「青田買い」をすることはまれ。
◆イギリスの名門オックスフォード大学の関係者に聞いた話。オックスフォードでは自国の未来を支えるエリートを育てるために、国の現実(植民地を失ったいま、大きな成長は見込めず、没落が運命付けられている)を理解し、没落を止められなくてもスピードを緩めることがチャレンジングで難しい仕事だと理解してもらいたいと考えている。オックスフォードでの教育の結果、一番優秀な学生は外交官(海外との交渉を通じて国を守る)、教師(次世代のリーダーを育てる)を目指す。それより成績の劣る学生はビジネスを志す。
海外に出ない自分には関係ない、とは言えないかもしれないからこそ
私が大学生だった頃の雰囲気と比べてみても、ずいぶんと意識の差を感じます。今の大学生の就職先の人気ランキングやアンケート結果とも差があるように思います(もっとも、公務員や教員志望の学生は調査対象外の可能性もあり、単純比較はできませんが)。
大学に至るまでの教育過程の差、社会や文化的な背景の差もありますし、一概にどちらがいい、悪いとは言えません。日本の大学生もアメリカの大学生のようにベンチャーを目指せ!と言いたい訳ではないし、学生ひとりひとりを見ればオックスフォードの学生の中にも、大手企業に入社すれば生涯安泰と考える人もいるかもしれません。
しかしそれでも、海外の大学生がどのような意識で就職し、仕事に取り組んでいるのかを知るのは大切なことだと思います。
これから先、日本が再び鎖国でもしない限り、今以上に海外との関わりが減ることはないでしょう。海外に工場や現地法人をもつ企業はたくさんありますし、海外の顧客を相手にする機会も増えるでしょう。
ザ・日本企業の代表のような企業が、海外企業に買収されるニュースももはや珍しくありません。同じ時代を生きている限り、一緒に働いたり、ライバル関係になったりする可能性のある人たちなのです。
日本がいるのは、どんな世界の中なのか?どんな人たちと働き、世界の未来を創っていくのか?
目の前の生活から少し視野を広げて、見渡してみませんか?
<参考資料>
acenture strategy
◆2016 U.S. Collage Graduate Employment Study
https://www.accenture.com/us-en/insight-2016-accenture-college-graduate-employment-research
◆2016 U.K. University Graduate Employment Study
https://www.accenture.com/us-en/insight-2016-uk-university-graduate-research