こんにちは、鈴木あきこです。
理系の修士卒、人材会社勤務からフリーランスに転じた私が、新卒就活から約10年を経て、学生時代や就活の時を振り返って思うことをお伝えしていきます。
今回のテーマは「転職」。
まだ就職もしていないのに転職?と思うかもしれませんね。
でも、私は就職活動の時に転職のことを知っていれば、慎重になり過ぎて可能性を狭めることもなかったかもしれないし、入社後の仕事への取り組み方も違っていたかもしれないと思っています。
転職はレアケースではない!流動化する人材市場
転職について、どんなイメージを持っていますか?前職で失敗したり、不満があったりした時にすること?飽きっぽく、協調性がない人がすること?
終身雇用がスタンダートだった頃は、会社をクビになった人、組織に馴染まない人がすることだというイメージが強く、転職はあまりいいイメージはありませんでした。皆さんのご両親も、こういった価値観を持っている方が多いかもしれません。
しかし、1990年代頃から外資系企業が日本進出を進める中で中途採用を活発に行うようになり、社員を引き抜かれた日系企業でも玉突き的に中途採用が必要になりました。ひとつの組織で昇進をしていく道を選ばず、前職より高いポジションや高待遇での転職を活用してキャリアアップをしていく人も増えました。
最近では転職者向け/中途採用向けのツール(エージェントサービスやマッチングサイトなど)も発達し、転職の現実的なハードルも下がっています。
転職は、必ずしもネガティブなもの、特別な人だけができるものではなくなってきているのです。
就活は、最初で最後の分岐点…ではない!
皆さんの多くはこれから、あるいは今、初めての就職活動に臨みます。
世の中にどんな仕事があるのか、どんな企業や組織があるのか、自分ごととして考え、探すのは初めてという人もいるでしょう。その中でひとつの就職先を決め、働き始めると、やってみて初めてわかることがたくさんあります。
自分に向いていると思っていたことが実は不得手だったとか、絶対無理だと諦めた夢が、社会に出てみたら実現できるかもしれないとか。
あるいは、ある程度働くうちに、やりたいこと、送りたい生活スタイルが変わることもあるでしょう。どんなことにやりがいを感じるか、今と10年後とで違ってくるのもおかしいことではありません。
あるいは、あってはならないことですが、ハラスメントの被害に遭う、過酷すぎる労働で体調を崩してしまう可能性もゼロではありません。
もしも、今選んだ道が合わなくなったとしても、転職して自分に合う道を選ぶことができるのです。
就職活動は、人生の大きな局面ではありますが、そこで決めたことを変更してはいけないということはありません。
軽々しく「嫌だったら辞めればいい」というのも違いますが、「絶対に間違えてはいけない、間違っても修正できない、間違った人は負け組だ」というものでもないのです。
就活が終わっても、自分の船は自分で漕ごう
年功序列、終身雇用、大手企業に入社できれば一生安泰。これらが世間の常識であった時代と比べると、キャリアの築き方はどんどん多様になっています。
社会構造の変化、IT技術の進化により、仕事の仕方や社会に与えるインパクトも変化し続けています。
そうした中で働いていく、生きていく時に大切なのは、目の前の仕事にしっかりと取り組み、実績を残すことです。実績は、会社の業績になるだけでなく、自分の武器、資源にもなります。
さらに、どんなキャリアを築きたいのか、どうやって生きていきたいのかを考え続け、仕事とつなげていくことも大切です。
仕事とは自分のためだけにすることではありません。
しかし、自分の生き方と仕事がリンクし、自分ごととして取り組める人の方が真剣に仕事に取り組み、組織にも成果を残せます。
キャリアに関する試行錯誤は、就職活動の時だけでなく、社会人になってからもずっと続けていかなければならないことです。
「有名企業に入れたから一生安泰」とか、逆に「ブラック企業に入ってしまったから、もう人生終わった」とか、そんなことは絶対にありません。
それがわかっていれば、就職活動も変に気負わず、本質を考えながら取り組めるのではないでしょうか。