第6回 実は素晴らしい!?日本の就活 ~その③~

就職コンサルタント福島直樹です。

 前回はクイズを通して、日本の若者失業率はOECD諸国の中で最も低い事を説明しました。つまり若者がほぼ世界一、仕事を見つけやすい国が日本なのです。その理由の一つは日本に新卒採用という、働いた事のない若者がスムーズに仕事の世界に移行できる仕組みがあるからです。

 では外国の大学生はどんな就活をしているのか、気になりますよね。

 


米国、ドイツ、フランスの大学生はどんな就活をしているの?


 海外では日本のような新卒採用の仕組みはほぼありません。新入社員が4月に一斉入社し、新人研修、OJTを経てスキルアップしていくような慣行はないのです。採用は欠員補充や業容拡大における増員が中心になります。

 「営業で人材が足りない。社内で希望者もいない。採用をしなくては」

 こんな時に外国では新卒採用という未経験者を優遇する仕組みがありませんので、新卒学生と社会人が同じ基準で選考されます。仕事未経験の新卒学生に勝ち目はあるのでしょうか?当然ありません。

 ゆえに外国では大学生がインターンシップに行くのです。そこで仕事のスキルを獲得しなければ社会人=経験者に勝てないからです。ゆえに日本のような1dayインターンシップなどあるわけがありません。(1日ではスキルアップできませんよね!笑)

 

 米国では大学生が夏季休暇などを利用し有給のインターンシップに長期にわたり参加することはあまりに有名です。もちろんその後の就職にも直結します。スタンフォード大卒でコンピュータサイエンス専攻の優秀な新卒者は年収1000万円〜2000万円でIT大手に就職するそうです。外国にはそもそも初任給という概念がなく、新卒学生によって給与が激しく変わることは当たり前で、資本主義の過酷さが際立っている印象があります。

 

 ドイツでは多くの大学生が1〜2年という長期に渡るインターンシップを経験します。短期のインターンシップでは企業側から評価されないことが多く、結果的に5〜6年かけて大学を卒業する人が多いと聞きます。日本では就活時に年齢が高い人が不利になることが多いのですが、ドイツではそういうことはまったくないようです。

 

 フランスでは新卒学生の約3分の2は非正規雇用として仕事を始めます。正規雇用になれる学生はたった3分の1。その後数年かけて非正規雇用者が正規雇用に変わっていくと言われています。日本では学校基本調査(文科省)を見ればわかるように8割以上が正規雇用として仕事を始めています。やはり日本の若者は恵まれていますね。

 

 このように海外の大学生の就職事情は実に厳しいものとなっています。

 「ところで、なぜ日本にだけ新卒採用があるのですか?不思議ですね」

 あなたはそんなふうに思うかもしれません。次回はそれをご説明します。お楽しみに。

 

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