就職コンサルタントの福島直樹です。
・前回の内容;学歴フィルターの主な賛成意見を3つ(努力評価説、地頭評価説、消去法理論)を紹介しました。
・今回の内容; 主な反対意見を3つ紹介します。
それなりに説得力があるようにも感じられる賛成意見でしたが、もちろん学歴フィルターや学歴差別、より正確に言うなら学校歴差別に反対する人もいます。
主な反対意見を3つ、みていきましょう。
学歴差別、学歴フィルター反対派の3つの意見
■分離説
「うちにT大卒の社員がいるけど、まったく仕事できないよ。本当に学歴って当てにならないよね。」
「そうなんだよ。理屈ばかりこねてさ。他人の批評ばかりしてるんだよ。自分から主体的に行動しないよね。だからうちではみんなに評論家さんと言って嫌われてるよ。」
ネットや酒の席でこのような話で盛り上がることがあります。サラリーマンあるある、の1つと言っていいかもしれませんね。
この人たちが言っているのは、勉強と仕事では求められる能力やスキルが違う(分離している)ため、学歴で人を採用しても当てにならないということです。職場の実感ですから、それなりに説得力があるようにも感じられますね。
■ミスマッチ説
これは上の説に似ています。
「うちの人事は役員の好みを気にして上位校の学生を採用したがるよね。でも残念ながら、うちはそんなに人気企業じゃないから、優秀な上位校学生は来てくれないんだよ。」
「そうなんだよ。上位校の低レベル学生しか入ってこないよね。だからうちでは上位校卒が使えないという評価になっているし、離職者も出るよね。学歴で採用するから、こういうミスマッチが起きているんだよ。本当にやめたほうがいいわ。」
私はこのような話を聞いたことがあります。上位校なら誰でもいいから採用するという、短絡的な対応が問題を起こしていると言えるでしょう。
また、このような観点から、日本の大卒者の離職率が高い(3年で約3割)のは、能力ではなく主に学歴で採用しているからだという批判をする人もいます。
■情報非公開批判
「学歴フィルターや学歴差別があることはやむを得ない。それより問題は企業がそれを隠すことだよ。オープンにすべきだよね。」
このような意見を言う人も少なくありません。一方、多くの人事は学生にこう言います。
「当社では学歴差別などありません。人物本位の採用をしています。」
当然この発言を信じる素直な就活生もいるわけです。彼らは就活中に上位校学生と酒を飲んだりした時に、学歴差別の実態を知ることが少なくありません。やはり少なからずショックを受けます。
「やっぱりそうだったのか。だったら素直に言えばいいのに。なんで騙すんだよ。この企業は信用できないな。」
中にはこのように感じる学生もいるのです。新卒採用とは自社の魅力を伝える場です。ところが逆に信用を失っているケースもあるのです。
多くの企業が学歴差別を隠すのは、批判や炎上をを恐れるからです。ゆえに実にさまざまな方法が採用されているます。
「え、様々な方法って、じゃあ、他にどんなやり方があるのですか?」
あなたはそんなふうに感じるかもしれませんね。
前々回では、会社説明会などの申し込み画面での学歴フィルターを紹介しましたが、それ以外の事例を次回から説明します。お楽しみに。
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