就職コンサルタントの福島直樹です。
・前回の内容;学歴差別の一種として批判されることもある事例Bリクルーター制を紹介しました。
・今回の内容;学歴差別の事例Cエントリーシート(書類選考)の学歴フィルターを説明します。
事例C.エントリーシート、書類選考における学歴フィルター
就活ではいきなり面接が始まることはほぼありません。次のようなプロセスを経ることが一般的です。
就職ナビでのプレエントリー → エントリーシート(書類選考)、テストセンターなど筆記試験 → 1次面接→グループディスカッション → 最終面接 → 内定
このような様々なプロセスで就活生はふるいにかけられます。その中でも就活生が最も苦労するのがエントリーシート(ES)の作成です。ESは書いた後も大変です。人気企業では書類選考で4分の1など大幅に絞られてしまうことも珍しくありません。
ではどのような学歴差別がおこなわれているのか見ていきましょう。
いわゆる上位校の就活生は書類選考で通過しやすいと言われている。
学生「もうひどいですよ。上位校の友人がいるんですが、彼は手を抜いて適当に書いたけど書類選考が通ったと言うんですよ。見せてもらったら確かに手抜き感が半端じゃなかったです。こんな低レベルで通るのかと思いました。
しかも私はその企業が第1志望だったんです。だから入念に企業研究をし、何度も添削してもらって自信があったのですが私は落とされました。もう就活がいやになりました」
こんなケースがあることも事実です。なぜ上位校の学生が書類選考で通過しやすいのでしょうか?その原因は下記の2つだと思われます。(学歴フィルターや学歴差別の根本的な原因は後の回で説明します)
原因①人気企業では大量のESが集まり、すべてに目を通すマンパワーも時間もない。そこで学校名でフィルターをかけてしまう企業も中にはあります。
→30人程度の採用枠に10000通が集中する場合もあります。すべてにしっかりと目を通すのはかなり難しいでしょう。
→書類選考で落とされた就活生はその企業に不満を抱くことが多くなります。そこで一部の企業は、あえて手書きのESにしたり、A4サイズ4枚という大量に書かせるESにしたり、自然と応募者が減るような工夫をしています。これらの「対策」でESを送ってくる学生が2、3割減るのはこの世界の常識なのです。
→17年5月からソフトバンクが書類選考でAI(人工知能)を使い始めています。IBMのワトソンを利用してしているのですが、書類選考の精度は人間と同等レベルに達しているようです。このようなサービスが低価格で企業に提供されるようになれば、書類選考の学歴フィルターは減少していくことでしょう。
原因②ESは筆記試験などに比べ判断基準が曖昧でフィルターをかけやすい、つまり炎上しにくい
→実は、事例A.セミナー申し込み画面などの学歴フィルターは、システム的に加工する必要があり経費がかかります。しかも就活生が他大生と情報交換すればすぐにバレてしまいます。つまり金もリスクも高い仕組みなのです。
→それに比べESの学歴フィルターはほぼバレません。証拠が残りません。ゆえに活用する企業が多いのです。
ちなみに中にはESに大学名を書かせない(学校名不問)企業もあります。このような企業はESで学歴フィルターを使っていないことは明白です。残念ながら今では一部の出版社などごく少数になってしまいましたが。
次回は事例D.面接における学歴フィルターを紹介します。お楽しみに。
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