●前回学んだこと 日本的雇用システム(メンバーシップ型雇用)と就活生の価値観が合致するもの
・終身雇用(長期安定雇用)
・年功序列(年功賃金)
一方、日本的雇用システムと就活生の価値観が相反するもの
・必要悪としての残業(ワークライフバランス志向)
・全国転勤(親と同居大好き)
●今回学ぶこと 日本の就活の良い部分は残し悪い部分を改善策する。何を変えるべきか?
福島直樹です。今回から日本の就活の問題点をどう改善していくべきか?ということを考えていきます。
「あれ、福島さんは日本の就活は素晴らしいって言ってましたよね。どうして改善する必要があるのですか?」
あなたはこう感じているかもしれません。もちろん就活、新卒採用は優れた仕組みです。しかし完璧というわけではありません。良い点は残し、問題点は改善していくことが求められるはずです。
私が以前見ていた就活生の中には30社、40社、50社全滅した人もいました。なぜこのような現象が起きるのか?について取り上げます。しかしその前に新卒採用の良い点、問題点を整理してみましょう。
若者にとって新卒採用の良い点
①未経験者が仕事に就きやすい仕組みであり、若者の失業率が低くなる傾向があります。一種の社会保障でもあり、学校から職業へのエントリーシステムとして優秀です。
②大学進学率が上昇し、大衆化し、一部幼稚化した大学生にとって、新卒採用の社会保障としての機能は合理的です。
若者にとって新卒採用の問題点
①売り手市場と言われる現在でも、人気企業の採用倍率は異常に高く、全滅し疲弊する学生が一部います
②就活の早期化と長期化が、学業を含めた大学生活の充実を阻害しています。特に2016年卒から徐々に定着した、大学3年夏のインターンシップからの実質的な就活開始は大きな問題です。
では問題点①「なぜ彼は50社全滅したのか?」についてみていきます。
50社全滅のメカニズム
多くの学生はB2B(Business to business)つまり法人向けのビジネスをする企業をあまり知りません。自動車部品、電子部品、機械、医療機器メーカーなどです。
つまり有名企業しか知らないわけです。ゆえに有名企業ばかり受験する学生がいます。(もちろんリスクが高いと考えB2B、中堅、中小企業を受ける学生もいますが)
中には有名企業に決まる学生もいますが、残念ながら苦戦する学生は少なくありません。
なぜなら有名企業は学生からのエントリーが集中し、異常な倍率になります。100倍、200倍はごく当たり前で、私が確認したある大手メーカーの事務系総合職では1000倍というケースもありました。
これでは何社受けても歯が立ちません。ゆえに全滅する学生も出てきます。
ではこのような問題にどのように対処すれば良いのでしょうか?次回をお楽しみに。
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